
ネット上での政治的思想の主張というのは、
2000年代中盤からの「ネトウヨ」を中心とする
保守系の人たちの独壇場だった。
中国・韓国との政治的衝突の度に、
その勢力をネット上で広げていった。
動画コンテンツにおいても同様で、
ニコ動・YouTubeではその流れの中で生まれたKAZUYAが
同じ若者世代に響く発信で信者を獲得していった。

テレビでは「そこまで言って委員会」を筆頭とした
保守系論客が活躍する場も増え、
一般ネットコンテンツも同様、
【愛国心】をくすぐる内容の動画が次々と排出され、
「ビジウヨ」なんて言葉も生まれた。
その結果…
・海の向こうの大統領選に異常な執着をみせる
・新型コロナは中国政府による陰謀
など、自分の敵とみなした相手にはどんな支離滅裂な主張を繰り広げても
徹底抗戦を見せるモンスターたちがネット上で日々戦い続けている。
一方リベラル系はというと、
男女平等、LGBTQ、原発問題、基地問題…テーマは色々あるものの、
保守派ほどの一枚岩感は薄かった。
とにかく、ネット上で思想を広めるという意味では
保守の方が上手くいっているという歴史がある。
ただ、世の中というのは常にバランス。
一方が突き進み続けるというのも難しい話。
モリカケ問題からコロナの今まで、政権には逆風が吹き続けている。
そして、行き過ぎたネトウヨ達の主張が
「陰謀論」として蔑まされる傾向が出てきている。
ここでポイントとなってくるのが❝動画コンテンツ❞。
ネトウヨのお兄さん的存在だったKAZUYAのようなチャンネルがようやく出てきた。
それが、「哲学入門チャンネル」。
まずは、最新の動画からご覧ください。
テーマは大村知事リコール問題。
哲学…?
最初は俺もそう思ったけど、
基本的に動画の内容は哲学ではなく、ゴリゴリの政権・ネトウヨ批判。
知事のリコール問題も、あいちトリエンナーレを発端として
保守派が動いたものです。
高須院長の旗振りで勢いよく始まったリコール活動で、署名の偽造が発覚。
その問題について切り込んでいます。
一番再生されているのがこれ。
「ついに安倍はバカを飛び越えた」
ドストレートなタイトルでまさに
あのKAZUYAを彷彿とさせるようなサムネ。
見た目の煽りもすごいものの、
このチャンネルの特徴が、かなり理詰めで批判をしていくということ。
ここで簡単にこのチャンネル主のプロフィールを紹介します。
- じゅんちゃん(本名:北畑 淳也)
- 1992年、奈良県生まれ
- 22歳の頃から読書に目覚め、2年で約600冊を乱読
- 20代半ばには営業職をしながら
ゲストハウスなどを渡り歩く「家無し生活」を続けた - ブログ「悲痛社」を開設
社会での悩みを書籍を引用しつつ分析する記事を投稿 - 2019年には書籍
「世界の思想書50冊から身近な疑問を解決する方法を探してみた 」を発売
書籍の発表後にYouTubeを開設。

はじめは哲学に関連した動画をアップしていたものの、
ある動画が転機となります。
飛躍的に再生数が伸びた動画、それが安倍首相に関する動画でした。
これ以降、保守系に批判的な動画が増えていきます。
世の中の需要もあったとは思いますが、
元々の思想が合致した結果とも考えられます。
感情に訴え勢力を伸ばしてきた右派に対し、
理論で攻める左派の急先鋒となるのか注目です。
(まぁ、ウヨ・サヨでくくられるのは本人も本意じゃないだろうし、そうすべきではないというのは前提として)